白黒地帯

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スチームワールドディグ 誤訳(勝手に)訂正!

ついに出ましたスチームワールドディグ日本語版 on SWITCH!
というところからいきなりの誤訳訂正記事!

ちなみに誤解なきよう言っておきますが、SWITCH版スチームワールドディグの日本語翻訳はインターグローによるもので、SWITCH同シリーズのスチームワールドハイスト・スチームワールドディグ2を翻訳したフライハイワークスとは別会社です。
(自分も後から知ったので反省…)

ちなみに、インターグローは3DSの日本語版スチームワールドディグの翻訳を行った会社で、正直その時点で相当誤訳とか、一人称・キャラ付けの違和感がッ…
SWITCH版ではテキストがまるまる同じではないので、多少は訳しなおしたよう、だけど結局誤訳残ってる、という形です。

まあもちろん全部ではないので、以下紹介する部分を置き換えてもらえれば、原語版やったのと同じくらい作品の味わいを感じられると思います。(だといいな…)
拙い訂正訳ですが、

  • 太字斜体
  • 日本語版と異なる箇所に下線
  • 意訳含む

という感じで原語版スクショの下に書いてますのでよろしくおねがいします。

その1:クランキーの地底のヤツら(Shiner)についての話1

実はだいぶ前に書いたオススメ記事↓でも言及した部分です。
まずは該当箇所。

「地底のヤツら」とは…?
実はこれ原文では「Shiner」という、太古の地層(Old World)にいたゾンビ達のことについて話してます。
コイツです!↓

そして原文コチラ。

「Shinerははるか昔、たいそう繁栄したとジョーのやつが言っておったな」
「やつらが世界を壊してしまう前、という話だったが…」

念の為説明してしまうと、スチームワールドディグ世界では人類は衰退しており、そのなれの果てがShinerである…
とこの台詞1つで分かるかどうかはともかく、そういうことを示唆する台詞なわけです。
ただのゾンビ敵やないんやで!

「賢かった」も世界観説明では外れではない気もしますがやっぱり素直にbrilliant=栄えていた、でいいんじゃないでしょうか。
あと、「ドリルとなにか関係があるかもしれない」とは言ってないですね… *1

あと、Shinerはどうやら「地底の人」または(主にクランキーが呼ぶ時は)「地底のヤツら」と訳しているみたいですが、固有名詞であることが分かりづらくなっていますね…
名前の由来*2も特徴的で好きなキャラなので、カタカナでシャイナーってしてもらった方が良かったと個人的には思います。

その2:クランキーの地底のヤツら(Shiner)についての話2

また「地底の奴ら」の話です。
原文コチラ。

「Shinerの痕跡は地上に殆ど残っておらん」
「今のヒト(=Shiner)の有様を考えると、Joeの話はやはり信じ難い…」
「Shinerが最初のSteambotの誕生に関わっていたという話…」
「もしそうならば、やつらは他に何ができた?

前の、Shinerの(活動の)痕跡が残っていないという台詞と合わせて、ジョーの話は「信じがたい」ものでしょう。(It's hard言うてますやん)
あと最後の文はちょっと自分の訳も分かりづらいですが、蒸気ロボットの他に人間が生み出したもの=電気駆動のロボ・メカ・テクノロジーを示唆する台詞と思います。

ラスボスまで示唆するような台詞と考えると、なかなか深いものがありますね…

その3:冷たいビフ…?

いつもフレンドリーなビフが何故か引いてるこのシーンは明確に誤訳っぽい箇所です。
原文↓

「お前が鉱山を掘れば掘るほど俺たちの暮らしが良くなるんだ
「忠告なんてどこ吹く風だ、つるはしを振り上げろ相棒!」

be well off=豊かに暮らす、裕福である
ですね。テストに出ますよ~(?)
自分らが儲けられるからオッケーと焚きつける、お調子者でお金大好きなビフ、という図ですね。
ビフかわいい。

でも3DSでこの部分の訳を見て違和感を感じてちゃんと訳すまで、この台詞、特に2文目はあんまり分かってませんでした。
なんだかんだ言って翻訳版出ると助かるので、大事な部分の誤訳はカンベンしてほしいですね…。

その4:ビフの地下の探索についての話

早速原文。

「確かに、お前が地底深くで見つけたものについてまだ分かっていないことが沢山あるかもしれない」
「それでもまだ探索を続ける価値はあるさ。お前は今まで素晴らしいものを地下で見つけてきたんだからな」
タダで貰ったものにケチをつけるな、ってのが俺の口癖なんだ」

話す方向性は少し変わってますが、そこは別によいのかなと。
最後の文がちょっとハテナ?なのは原文がことわざなのを訳しそこねたっぽいのかな?と。
Don't look a gift horse in the mouth.=貰い物のあらを探すな、ですね。
直訳は「貰った馬の口の中を見るな」ですが、馬の歯を見ると年齢が分かるからとかなんとか。
相変わらず調子のよく押せ押せなビフの性格の出る1シーンです。

あと、SteamWorldで動物が出てくる時はsteam-がつくので少しややこしくなってますね。
この仕様を見るに、SteamWorldでは動物も生身のものはいなくて蒸気駆動なのでは?という
ハイストでも少し言及されてたように思いますがうろ覚え…

その5:ラスボス直前突然の新要素

<<蒸気の魂>>ってなんやねん、ってツッコミたいのは見え見えなんですが、以下原文。

エレキボット:「我々はお前から脆い蒸気ロボットの鎧を剥ぎ、準備を進めてきた
「お前はもはやお前自身ではなく我々の一部に等しい」
「(ジジッ) 我々は無敵の存在となるのだ!このエレキボットが君臨し、すべてを支配する!」
ラスティ:「ああそうだな、準備万端だ…アンタを止める準備がな

<<蒸気の魂>>ってなんやねん(2回目)
言ってませんよそんなことは!

数々入手してきたパーツは実は敵の計画の内だった…といういいシーンですから、突然の新要素はやめていただきたく(?)
アップグレードパーツはゲームシステム的にプレイヤーは進んで取得するので、プレイヤー自身に与えるショックも小さくないのが作劇上よい仕掛け。

ジョーおじさんがエレキボットを止めようとしてパーツを置いたのかどうかって微妙だと思うんですがどうでしょう。
自分は割と、電気ロボや電気技術に傾倒しちゃって完全にエレキボット側だったのかなーと(蒸気パーツもエレキボットまでおびき寄せるためかなと)思ったので訳もそれっぽくなりました。
You've prepared me.で、相手はエレキボットでありながらジョーおじさんでもあるので、どちらとも解釈できるかなと。

おまけ:一人称ブレ

(訂正とはちょっと違う気がしますが)
誤訳とかそれ以前の問題では!?
特にCrankyの「私」「俺」のブレが顕著。


Rustyも(そもそものキャラ付けの違和感もありますが)「私」「ボク」「僕」でブレが…
主人公のクセに台詞少ないのによくそこでブレられるな!?
主人公のクセに台詞少ないのに!(別に翻訳は悪くない)

まとめ

以上!
なんだか書いていくうちに誤訳つっつくついでの語りみたいになってきましたが…
誤訳はこのゲームに限らず、ゲームの重要な部分で発生しやすいと思うのでしょうがないといえばしょうがないですね。
間違いやすいというより、重要な部分だからこそささいが間違いが目についたり、そもそも言わんとすることが微妙な意味を含んでいて異なる言語の間での変換が難しかったり、という部分が大きいと思います。

台詞断片的だったので意味が通りづらいところもあったかもです。
タイムアタックで2時間半、ゆっくりやっても6時間で遊べるので…ぜひもう1周したり、Steamで英語版やったりしてみてください!

*1:実は3DSの時点の訳ではShinerの訳を全部「バグ」(荒野の鉱床に居る虫の敵)と取り違えていて「昔はバグは固かった」とかトンチンカンもいいとこの訳になってたのでその名残が残ってる…とか…

*2:密造酒製造者という意味のMoonshinerから来ているようです。太古の地層の緑の酸っぽいやつや、太っちょShinerが投げてくるビンはお酒ですね。蒸留酒製造機のようなものが地下にあったり…さらに、ディグ2もやるとあれらが酒であることがより分かりやすいです。